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適応診断とは?
スターバンド治療を開始するにあたって、頭蓋骨の疾患が隠れていないことを確かめるために「適応診断」の過程が必要となります。
「適応診断」では、提携している専門医師が主に頭部単純レントゲン撮影を行なって頭蓋骨の縫合線異常の有無を評価します。稀に「頭蓋骨縫合早期癒合症」という疾患が見つかることがあるからです。
頭蓋骨縫合早期癒合症
赤ちゃんはお母さんの狭い産道を通るために頭蓋骨がいくつかに分かれていることから頭蓋形状を変形することで誕生することができます。その後発育とともに分かれていた頭蓋骨は繋がって1枚の硬い頭蓋骨に変わっていきます。しかし通常よりも早い段階で頭蓋骨が繋がってしまう大変稀な疾患「頭蓋骨縫合早期癒合症」があります。一部のタイプでは脳圧の亢進から脳の発育に影響をきたすことから早期診断•治療が必要になります。
そのためヘルメット作成にあたっては当AHS Japan Corporationではこういった疾患を早期に発見することにおいても専門の医師と協力して対応(検査の「正当化」)しております。
画像検査は大変重要な検査ですね。
放射線被曝について
さて、頭部画像検査のお話をしますとお客様から「放射線を浴びさせたくない」と相談されることがあります。
今回はご心配の医療の放射線被曝に関して解説いたします。
日常生活での被ばく(自然放射線)
放射線による被ばくは、実は自然からで年間世界平均値2.4mSv(Sv【シーベルト】:放射線被曝の影響の強さを表す線量単位)が日常的に遭遇しています。
しかし、自然の放射線被曝でも我々が健康被害を受けないのは、進化の過程で遺伝子の傷を修理する仕組みがあるからです。
被ばくによる健康被害
ご心配の放射線と発がんについてですが、確かに広島・長崎の原爆被曝者の方々のように、大量の放射線を一度に浴びると、がんの増加が認められました。
しかし、頭部単純レントゲンはお子様に当たる放射線量は非常にわずかで胸部単純レントゲンとほぼ同等です。被曝量の増加する頭部CTにおいても被ばくが原因でがんになったと言う報告はありません。
また、放射線検査を受けた影響があとあとまで蓄積されることもありません。
適応診断での被ばく
一方子供の放射線への感受性が成人より高いと言われていますが、体格が成人より小さいことから撮影に必要なX線の被曝量も少なくなります。
また、撮影部位の脳は神経細胞の集まりで放射線感受性が一番低い臓器です。
さらに放射線科の方々も”適正化”した照射条件を調整し線量を低減した検査をされています。
では病院で取り扱う検査における被曝量はどれほどなのか、見てみましょう。
尚、本邦の被曝量は各施設で異なりますが、多くの病院では「日本の診断参考レベル」に比較しさらに少ないレベルを目標にしています。
海外報告での1歳未満の各種検査の放射線被曝の影響の強さ(mSv)
胸部単純レントゲン:0.05
腹部単純レントゲン:0.07
頭部単純CT :1.7
※自然からの年間世界平均被曝値: 2.4
※人体に影響の放射線被曝量:100~150
一般的に人間の体へ影響が出始める放射線被曝量は100~150mSv以上と推測されています。
先の検査被曝量からも医療機関の管理のもとで受ける検査被曝量はかなり抑えられたものです。短期間で頻回に撮像する場合には少し心配になるかもしれませんが、「適応診断」での画像診断は専門家の管理のもと限られた回数の撮像にもなりますので、このコラムを読んでいただき少しでもご安心いただけるお役にたれば幸いです。
AHS Japan Corporationで「頭のゆがみ度測定コース」のみを受けた後も、ご希望の場合には専門医の紹介を致しますのでお気軽にご相談ください。
かただ小児科クリニック 院長 医学博士
【経歴】
慶応義塾大学病院小児科で初期研修後同大学勤務・東京都立清瀬小児病院(小児循環器・小児麻酔:現東京都立小児総合医療センター)・他慶應小児科関連病院勤務
【講師・委員】
獨協医科大学越谷病院小児科講師・埼玉県立大学看護学科非常勤講師・チャイルドシート検討会委員(日本小児保健協会)ほか歴任
【学会等】
日本小児科学会・日本渡航学会(認定医)・日本小児東洋医学会、日本小児心身症医学会会員ほか
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